しらすとは

元々しらすとは鮎やウナギ、イワシ、ニシン、イカナゴなどの魚の稚魚の総称なのです。この種の稚魚は体に色素が少なく、白色~透明色をしているのでこう呼ばれれています。そもそもこの「しらす」という言葉は、一説には時代劇でよく見かける白い砂利の敷かれた裁きの場所「お白州」からきていると言われています、しらすを干していて一面真っ白な状態が、お白州に似ていたことから名づけられたとか。いつしか、色の薄い稚魚を総称して、しらすと呼ぶようになりました。(身体が白い子、で「白子(しらす)」という説もあります)

現在、一般的に「しらす」として売られ、食されているのは主にカタクチイワシの稚魚です。カタクチイワシ以外にもマイワシやウルメイワシの稚魚もしらすとして流通していますが、量としてはカタクチイワシの稚魚が最も多いのです。

現代の様な冷蔵技術もない時代には、足が早く傷みやすいしらすは、都市部にあまり流通する事もなく、殆ど地元で消費されていました。その後、明治、大正、昭和から平成へと時を経るにつれ、漁獲法や冷蔵技術、そして流通も良くなり、加工技術もあがったことにより、現在の様に全国どこでも普通にスーパーでしらす干しが買えるようになりました。
書名 『ザ・旬』より抜粋
発行 おおむろ企画


しらすの呼び名

茹でただけのものを「釜揚げしらす(釜揚げちりめん)」、さらに天日干ししたものをしらす干しと呼び、地方や乾燥の具合などによって、中干しシラス(太白ちりめん・太白・やわ干し・やわ乾・しらす・しらす干し・普通干し)、上干(上乾)チリメン(ちりめん・ちりめんじゃこ・かちり)などのように呼び名が変わります。

しらすで美肌!

しらすは骨も含めて丸ごと魚体を摂取できるのでカルシウムが特に豊富です。肝機能の働きを高めるタウリンやカリウム、鉄、亜鉛など多くの栄養がしらすには含まれています。また、免疫力を高め、ガンや生活習慣病を予防し、老化や痴呆の進行を緩やかにする働きがある核酸を多く含むしらす干しには、若さを保つ効果があるといわれています。核酸には、肌から分泌される皮脂量をコントロールする働きもあり、適量を摂取する事で、美肌にも効果があるといわれています。

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マイワシの産卵期は冬から春にかけて、ウルメイワシは4~6月、カタクチイワシは一年中産卵をしますが、特に春と秋が産卵のピークとなります。しらすそのものはほぼ通年獲れますが、漁の最盛期は春漁と秋漁となります。小ぶりながらぷりぷりした春のしらす、脂ののった秋のしらす、それぞれにそれぞれの美味しさがあります。
「生しらす」に限っては、通常水揚げされた当日にしか食べる事ができません。足が速く、鮮度が急激に落ちてしまう為、シケや不漁などにより現地まで足を運んでも食べられない事もあります。「生しらす」を求めて現地に赴く際には、お出かけの当日の朝にお店や港などに問い合わせるのがより確実です。

流通機構が発達し、一昔前では考えられなかったものが、遠隔地でも食べることの出来るようになった昨今ですが、最高に新鮮な状態で食すためには、それが獲れる(採れる)地に赴いてこそ、その醍醐味を十二分に堪能する事ができるのだと思います。

生しらすはそんな食材の代表格ではないでしょうか。

ぜひ江の島で美味しい生しらすをご賞味下さい!。