しらすとは
元々しらすとは鮎やウナギ、イワシ、ニシン、イカナゴなどの魚の稚魚の総称なのです。この種の稚魚は体に色素が少なく、白色~透明色をしているのでこう呼ばれれています。そもそもこの「しらす」という言葉は、一説には時代劇でよく見かける白い砂利の敷かれた裁きの場所「お白州」からきていると言われています、しらすを干していて一面真っ白な状態が、お白州に似ていたことから名づけられたとか。いつしか、色の薄い稚魚を総称して、しらすと呼ぶようになりました。(身体が白い子、で「白子(しらす)」という説もあります)
現在、一般的に「しらす」として売られ、食されているのは主にカタクチイワシの稚魚です。カタクチイワシ以外にもマイワシやウルメイワシの稚魚もしらすとして流通していますが、量としてはカタクチイワシの稚魚が最も多いのです。
現代の様な冷蔵技術もない時代には、足が早く傷みやすいしらすは、都市部にあまり流通する事もなく、殆ど地元で消費されていました。その後、明治、大正、昭和から平成へと時を経るにつれ、漁獲法や冷蔵技術、そして流通も良くなり、加工技術もあがったことにより、現在の様に全国どこでも普通にスーパーでしらす干しが買えるようになりました。
書名 『ザ・旬』より抜粋
発行 おおむろ企画